メッキを剥がすには?

今回はときたまプラモに施されているメッキの落とし方を紹介します。
その前に例によって、まずはメッキとは何ぞや?から始めて行こうと思います。

…が、残念ながら私は情報化出身でそういった知識がないので、さっき調べたレベルの知識になってしまうことを予めご了承ください。

予防線を張ったところで、メッキというのは固体表面に金属の被膜を作る加工の総称を指すようです。
最近あんまりみないかもしれませんが、屋根なんかに使われているトタンを例に挙げると、丈夫だけど錆びやすい鉄の表面に亜鉛を纏わせることで弱点を補う…みたいな感じらしいです。

また、電子回路なんかでは電気を通さない板(あの緑のやつね!)にメッキ加工で回路を作ってやることで、配線が不要でコンパクトに作るといった分野でも使われているみたいです。

また、金属じゃないもの(プラスチックとか)に金属の質感を与えることもできるので、車のバンパーやアクセサリー、そしてプラモなんかにも装飾目的で使われるなど、実はかなり身近な技術のようです。

お次はなんで模型メーカーがわざわざ良かれと思って施したメッキを落とすのか、ということを考えていきます。

正直言うと、プラモ作るうえでどうしてもメッキを落とす必要があるケースっていうのは少なく、例えば接着面までメッキが回っているので削り取って接着する、くらいですかね。

ただし、パーツを加工する場合(ゲート処理、ペーパーがけ、接着など)をする場合はそこだけメッキが剥げるわけなので、ならいっそ全部落としてしまえってのが一つ。
また、メッキ加工によってダルくなったモールドを復活させるというのも理由の一つですね。
あと、↑のフェラーリのホイールのように、こんなキラキラしてるのはなんかイメージと違う…ってときも落とします。
何より、塗装の下地としてメッキ加工の上というのはベストではないってのが一番の理由じゃないでしょうか。
(塗れないわけではありません。)

まとめると

  • メッキされたままだと接着できない
  • ヤスリとか当てるとそこだけ剥げちゃうからならもういっそ…
  • メッキの質感がイメージと違う
  • 塗装する場合、メッキのままだと下地としてはベストじゃない
    →塗れないことないですよ!

逆にキラッキラのメッキが似合う武者ガンダムのツノ飾りや、車のバンパー、写真の百式みたいなそのままでも綺麗じゃね
?って場合は落としちゃダメです。

実際にメッキを落とす!

続きまして、実際にメッキを落とす方法を解説する前に、実際にメッキ加工されているパーツの表面ってどうなっているのかというと、概ね左の図のような感じです。

上から順に、クリア層はメッキ層の保護や光沢を出す、着色などの効果があります。
メッキ層は金属皮膜ってこと以上は分かりません、どうやって加工してんのか、何の金属なのか、情報科出身の私に聞いても無駄です。
下地…は正直あるのかどうかよく分かんないです。
なんかプライマー的なのを塗布してるかもしれませんし、光沢出すためにクリアが一層あるかもしれません。
取り敢えず今んとこそんなに意識したことは無い感じです。

あと、この図はあくまで一例なので、クリア層が無かったりとかもあるので参考までに。

今回紹介するに当たって用意するものはコチラです。
・ラッカーうすめ液(Mr.カラーの青いラベルのやつが無難)
・塩素系漂白剤(キッチンハイターでOK)
・ボウルやタッパーなどパーツが浸せる容器

あえて言う必要もないと思いますが、こういうのやるときの容器って料理に使うものじゃなくて、模型用に買ってきたやつにしましょうね。
いくら洗ったとはいえ、シンナーとか漂白剤使ったあとのボウルでハンバーグこねたりすんのってなんか嫌じゃん?

それでは実際にメッキを落とす手順を紹介していきます。
ほんの一部分であればヤスリを当てて落とせばいいんですが、全部やってたらキリがないので纏めて落としていきます。

まずはクリア層を落とすためにラッカーうすめ液に浸けます。
こう見ると、シルバーメッキにクリアイエローで着色してゴールドカラーにしていることが分かりますね。
つまり、上の方でも書いたんですけどメッキの上でも塗装はできるんですね。
ここから更にクリアブルーとか吹いてブルーメッキにすることもできたりします。

あと、このとき使うのはMrカラーうすめ液が無難です。
各社が出しているちょい強めシンナーだとパーツが普通に溶けたりするので、心配であればランナーの切れっ端とかで試すべきです。

クリア層を落とした後、よく乾かしたらハイターを水で薄めたもの(希釈率は適当で)にパーツを浸けます。
写真は浸けてすぐの状態ですが既にメッキが落ちて半透明のプラ地が見えていますね。

それからものの数分でほぼ完全にメッキが落ちます。
ちなみに何故これでメッキが落ちるのかは全く知りません。
アルカリ性の塩素系漂白剤が表面のアルミを溶かすとかそんな感じなんですかね。。。?
ちなみに、この段階で落ちないようなら恐らく表面に無色クリアがかかっていると思われるので、ラッカーうすめ液で落としてから再度浸けてやりましょう。
一番上の写真にあるようなホイールの部品がまさにそれでしたが、この辺はメーカーやキットにもよるのでやってみなきゃわからん!って感じです。

メッキが落ちたらよく水ですすいで乾かせば普通のプラパーツと同様に扱えるようになります。
写真ではほんの少し銀色のとこが残ってますが、このくらいならヤスリあててちょちょっと落としてやればよいかと。

ということで、メッキ落としの手順についてでした。
最近ではプラモ用のメッキ剥がし液なんて便利なものもあって、これは浸けるだけでクリアコートごとベリッと落としてくれるようですが、そんな頻繁にメッキを剥がすことがなければこの方法で十分じゃないかなーと思います。

あと、解説した通り、メッキを落とすのは簡単なんですけどそこから元以上に仕上げるのは中々骨が折れるので本当にメッキを落とすかどうかはよく検討してから実行することを強く推奨します。