ぶっちゃけゲート処理って何だ!

今回は、プラモを作るうえで避けて通れないゲート処理について解説していきます。
ゲート処理とは何ぞや?の前に、まずは用語の説明から
・ランナー
部品が生えているワク状のもの
大体のプラモは箱を開けると、袋詰めされたランナーが数枚と説明書、シールなどが入っています。
・ゲート
部品とランナーの間の細くなっている箇所。(緑で囲った部分)
これは本来部品に生えていないものなので、これを綺麗に取り除く作業を所謂ゲート処理と言います。

ではまず、ゲートを残すようにしてパーツを切り離します。
これは5000円するようなお高いニッパーでも同様です。
とにもかくにも、ランナーにつながったままでは綺麗に切り取るのが難しいので、一旦余分を持たせて切り離すことを目的に勢いに任せてバチバチとニッパーを走らせましょう。

部品を切り離したら改めて余分なゲートを切り取ります。
といっても全部切り離すのではなく、大体指の爪の厚み分くらいを残しておきます。
ここでニッパーの出番はおしまいです。
切り離したゲートはその辺に零すとジャリジャリするので一旦空き箱などに集めて捨てるといい感じです。
その空き箱をひっくり返すと悲しいことになるので注意してください。

ちなみに、お高いニッパーを持っている場合はこの段階でいきなり全部切り取って良いみたいなので、次の工程はすっ飛ばしてください。

最後の仕上げとしてよく切れるカッターで残ったゲートをそぎ落とすようにして切り取ります。
この工程がプラモを作るうえで怪我する可能性が最も高い工程なので十分に気を付けてください。
基本的にはあんまり力を入れなくても切り離せるハズなので、むしろ力が入るようであればカッターの刃を交換したり、ニッパーでもっとゲートをギリギリまで切り離しましょう。

ナイフで残ったゲートを切り落とした状態がコチラです。
平らなパーツであれば、ヤスリなどを当てなくてもこれでゲート処理完了です。
あくまでゲートを取り除くのがゲート処理であって、ヤスリを当てることはその手段でしかないので、やらなくていい工程はどんどん省いていきましょう。
普通のプラモであれば一つのパーツに対して、ゲートが2~3つあり、それぞれに上記の手順を行うと中々手間のかかる作業ではありますが、こればかりは避けて通れない工程なので根気よくやっていきましょう。

曲面のゲート処理

上記の例は平らなパーツでしたが、このような曲面で構成されている場合はナイフだけで仕上げるのも中々難しかったりするのですが、基本は同じです。
まずは部品を切り出し、余分なゲートをカットします。

あとは同様に残ったゲートをナイフで削るわけですが、ここで薄皮1枚程度残すようにします。

仕上げに残したゲートをサンドペーパーで削り落とします。
600番程度で撫でるようにしてやれば簡単に処理できるハズです。

塗装して仕上げたところ
微妙な曲面にあるゲートがしっかり取り除けているのが確認できると思います。

失敗したときのリカバリ

お次はゲート処理をする過程で、写真のようにパーツ自体を大きく抉ってしまった場合のリカバリ手順を紹介します。
失敗しないことも大事ですが、リカバリ方法を身に着けることも大事って人は言いますので是非マスターしていただければと。

リカバリするのに使うのはコチラ、イージーサンディングと銘打たれた瞬間接着剤です。
これが出るまでは大きい傷を埋めるのにはパテを使っていたのですが、それだと固まるまで時間がかかり、
ならばと瞬間接着剤をパテ代わりに使うと、硬化した瞬着はプラスチックより固いので、ヤスリを当ててもパーツの方が削れてしまいがち、なんてジレンマがあったわけです。
そこで割と最近出たこのイージーサンディングタイプは固まってもプラスチックと同じ感覚でヤスリがけすることができるので個人的にイチオシアイテムです。

抉った箇所に瞬間接着剤を塗りつけていきます。
このとき、チューブから直接パーツに塗るのはNGです。
思ったより大量に出て取り返しのつかないことになったりします。
一旦パレットなどに出してから爪楊枝などで塗りましょう。
※写真ではカッターマットにマスキングテープを貼って簡易パレットにしています。

塗った瞬着が固まったらサンドペーパーで慣らしていきます。
大体400番くらいで始めて最終的な仕上がりに応じて番手を上げていきます。
また、"瞬間"接着剤とはいうものの、固まるまでは意外と時間がかかるので硬化スプレーなどを吹き付けるとすぐ作業することができます。
これが意外と大事で、一旦待ち時間が発生してしまうと再開するのが億劫になってしまいがちなんですが、こういうアイテムを使うと中断することなく集中して作業ができます。

サンドペーパーを400番→600番まで当ててから塗装を済ませたところ。
実際のところ、失敗例を掲載するために割と派手めに抉ってみたんですが、ご覧のとおりリカバリできているのが確認できると思います。